みなさんとてもご親切
商店街をぷらっと通り抜けるつもりでいたのだが
ちょっとした買い物をして、さあお財布を出そうとしていた
すると突然、目の前にぬうっと小さな紙の束が差し出される
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見知らぬご婦人が、沈黙のままにっこにっこしながら差し出す紙の束
なんですと?
よく見ればそれは
商店街主催のくじ補助券
ああ、余って捨てるのもなんだからあげるということなのか、と察する
いらないというのも野暮な気がするし、こちらもにっこり、ありがとうございます、と受け取る
真っ白な御髪の素敵奥様だったが、笑顔で去って行った
この間、ひとこともおしゃべりにならなかった
しかし、ほかにも若い女性はたくさんいるのに、なぜかわたしを目指して差し出されるのが摩訶不思議
使わずともいいか、とぷらぷら歩いていくと、当の抽選会場へとたどり着く
するとこんどは、空くじに終わったようすのご婦人がそこを後にするところで、またわたしを見てさっと補助券をくれるのだった
余ってしまったの、お使いになって、と
なぜみなわたしに補助券をくれる
ほかにもいっぱい人がいるのに(笑)
くじをさせてあげたい雰囲気がするのか、とわたしの手にはもらった補助券の束である
抽選会場の法被の人がそれをめざとくみつけ、さあさあ回してみてください、と言う
がらがらがら コロン
ジャンガジャンガとベルを鳴らす
おめでとうございますという高らかな声
ジュースセットとシャボン玉と菓子セットをいただきました
ありがとうございます