もしもぼくがおとなだったら…
もしもぼくがおとなだったら
子供は、よくオトナを観察している。
子供だからと侮った態度も、ああそういうヒト、と見透かされているのだ。
なぜそう思うかって、自分がそういう子供であったから。
子供時代に、ああいうオトナになりたくない、と思うことはままある。
この少年も、屈託なく、オトナになったらきっとこうするのに、と思っている。
けれども、オトナになると、それを忘れて、いつか自分があんなふうにはなりたくないといった風情のオトナにまんまとなりはてていることもあるので、なかなかどうして、夢破れるかんじなのですが(泣笑)
この男の子が、オトナの自分はぜったいにたくさんの野良猫たちをめいっぱい素手で触って撫でてあげるんだ、と思うところは大好きだった。
いつも、手を洗いなさい、と言われてるからね。
そう、忘れず、出会った猫さんを撫でてあげる、大きな手のオトナになってほしい、と思ったのだった。