こんとあき 林明子
こんな優しいぬくもりのある お話を書けてしまう 林明子さんに脱帽なのであります。
こん、という名のぬいぐるみが、いつも「あき」を守ってあげる姿に、胸がしめつけられるような。
砂丘の町に住むおばあさんが、生まれてくる孫のお守り係として作った「こん」
その指名をはたすべく、ずっと口癖が「だいじょうぶ、だいじょうぶ」なのです。
道中でも、せっせと先をとってお世話するのは、こん。
お弁当を買って、切符を差し出して。
車掌さんが包帯巻いてくれるシーンは!
なんでこういうやさしい場面を作り出せるのだろうか、と作者の創造力にただ無言であります。
ラストで悪役のワンコさん登場で、へろへろになっても、小さな声で繰り返す
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」 に泣きそうに!
でも、ほんとうに大丈夫。
作ってくれたおばあさんが繕ってくれるのですもの。
とても しあわせな 読書時間でした。
簡単な型紙つき
裏表紙
泣ける