地上の飯―皿めぐり航海記
食べることスキーならば読むでしょう。
タイトルからしてグッとつかみはOKである。
タイトルからしてそそる!
地上の飯―皿めぐり航海記
ロマンチックルなアドベンチャーが待ってる予感が(わら)
五感にグイグイくるエッセイ
本を読むというのは、同じ場所に座って白紙の黒い文字をたどるということ。
良書に出会うと、読んでいるあいだ、遠くを旅し、味覚、嗅覚、視覚(色彩感覚)、聴覚、触覚、そのすべてを感じることができる。
それが読書の醍醐味だと思う。
なにを食べておいしかったとかいうグルメ本ではない。
世界各地の比較文化論でもない。
見て聞いて嗅いだものを、そのまま届けてくれる。そしてそれがダイレクトに伝わるのだった。
花の匂いが漂うハンカチの一節など、くらくらしちゃったわ。
魚のスープの匂いなどなど、生活に漂う香りは、すべて記憶をずるずるっと引き出していくのである。
本に登場する海外の作家の本を読みたいと思った。
人との出会いをおおらかに謳歌して、快哉を叫ぶ一冊だった。