映画 交渉人
よくない方向で話題になってしまったケヴィン・スペイシー
演技者としてほぼ最高値にあって、観るごとにほええええ、と呆れるほどの演技に圧倒されることがたびたびであった
でもあのー 前から評判はありましてね
来日したときのインタビュアー(男性)も彼にやたら触られたという逸話もあった。
そっち系の方であることは周知の事実だったのだけれど
性的志向は個人の自由なのでそれはどうでもいい
けれど、男女問わず、同意もなく好きでもない相手に勝手に触られたりするのは、された側にとっては気持ち悪く我慢のならないことなのです
なにがちょっと落胆させるかって
わたしがこのひとすごい、と最初にくいつくように思ったユージュアル・サスペクツの撮影現場でのことを
That’s Kevin, but nobody really understood the depth of his predations
上の一文を翻訳していただければわかると思うが、彼の根深い闇にげんなりする
ほんと、演技は素晴らしいのに
人格と衝動と演技は別のものとして観るしかなかろうね
というわけで、交渉人を観る
サミュエル・L・ジャクソンがうまくて救われた
この映画においてのスペイシー氏は、熱演ではあるが飛び抜けているわけでもない
W主演という感じのジャケットだけど、話的にもメインのサミュエル氏に大いに食われている感じ
同僚が殺された葬儀の場面で、正装したサミュエル氏が弔砲の響きからのリアクションは、エモーショナルで全編のなかで一番印象的だった
警察が舞台の話ということで、たいていあるようにやはり「汚職」がテーマとなっている
誰が黒幕か、を探り探りいくというのも、よくある展開だ
しかし、よく指揮系統が変わる捜査陣である
そして、何回やっても主人公を殺したがるように特殊部隊が勝手に突入する
ぜんぜん統制とれてない
わかった、君らほんとうに主人公を殺したいんだね、と観てる側は思う
つまり、そう思うのは正しいわけだ
黒幕および「やばいから消せ」と思ってるのが特殊部隊の内側にいるから
映画のシナリオでたたみかけるようにこれでもか的に危機に陥らせるのは常套テクですが
これはシナリオ教本の定石どおりに山盛り最後まで危機を設置してくる
まあ、最後に秘密の会話が外にダダ漏れなんだろうな、というのはちょっと読めましたが
凄腕の交渉人であるスペイシー氏が家では妻子の説得に苦戦していた登場シーンがあるが
最後にその続きのようなものがあると、もっと人間性など描かれたのではないかと思う
あれはもったいない設定ではないのかと思ったりもした