マイ・ドッグ・スキップ
愛犬、愛猫と暮らしたことのある人ならば、誰しもが痛みをもって共感する部分があるだろう。
正直言って、1940年代アメリカの少年の話なので、戦時下でもあり、日本軍が憎々しげに描写されていたりするのは、いたたまれないような気持ちになった。
それを脇に置いても、冒頭の一節と、ラストの一文は読む価値があると思う。
逆に言えば、それがすべてである。
原作本
映画は見てない
少年と犬とやんちゃをしてすごす日々。
子猫も登場するが、薄幸なことにすぐに亡くなり、ニレの木の下に埋葬される。
後に、スキップも眠る場所である。
スキップは老い、少年は青年となって留学中に訃報を聞く。
少年の昔着ていた、スキップお気に入りのジャケットに包んで、埋葬した、と伝え聞くのだが、、、
ラストの一文は是非、本で確かめてください。
ペットロスに陥った自分には、とても共感できるものだった。
ひるがえって、冒頭の一節。
古い写真でスキップを見る、40年後の著者。
彼は、40年という月日が経ってもやはり、スキップの写真を見ると、胸が痛むおもいがするという。
自分にひきよせても、長い年月の後でさえ、きっとそうであろうと思うのだった。
そう思える相手に出会えたのは、しあわせなことかもしれない。