スリーパーズ―恐怖の少年院と復讐の記録
何度読んでも心に重く、じんわり泣く。
映画から先に観たクチである。
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映画もすさまじかったけれど、原作本はさらに染みいるものがあった。
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少年らが大人の男たちの欲望の対象にされ、その後の人生で癒えない傷となる。
すさんだ街で育ったとはいえ、やんちゃで元気で希望にみちた少年時代だった4人の仲間。
ふとした事件で少年院に入ることになり、地獄のような扱いを受け、さまがわりした人生となってしまう。
大人になった彼らのうち二人はヤクザな生活になっていて、偶然再会してしまった元刑務官(陵辱者)を撃ち殺す。
彼らにとっては天啓。正統な復讐である。
しかし、ほんとうの復讐はそこではおわらない。
大ドンデンまでは、どうぞ映画なり本なりでご堪能ください。
わたしがいつも、じんわり涙が浮かぶのは、彼らがひどい目にあうことやその後も苦しむことではないのだった。
最後のほうである、楽しいパーティーを開く4人の元少年と元少女のひとり。5人の最高潮に幸せな一晩。
そして、長い月日の果て、思い出すのは、ヘルズキッチン(彼らが育った町)での思い出のシーンの描写である。
いつだって、過去は輝いている。
あのとき、なにも恐れるものもなく、なにひとつくもりなく、ただ希望に満ちあふれていた5人の子供たち。
その場面でいつも、胸苦しく涙する。
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