フランスで出会った猫たち

ひとえにおしゃれである。

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表紙からしてロミジュリかという、装丁もナイスチョイス。

写真も繊細だが、文章にも秀でた才能

 

レイチェル・マッケナの綴る文章も、なかなかのくすぐり系であった。

冒頭からつかまれる。

フランスの田舎の猫はほとんど雑種で、飼い主たちに似て個性的で独立心が強く、なかなかうちとけてくれません。

ね、読みたくなったでしょう。写真を見るだけで、文章をすっとばすともったいないですよ。

要所要所で章立てのように、黒いページに白文字で、各界の偉人名言みたいなものが差し挟まれているという編集も良。

もちろん猫にまつわる箴言ばかり。

 

素敵なお城にお住まいで!という古城の猫さんは、城を譲り受ける際に、猫ごとだったという、つまりヒトより猫が城のことに関しては先輩なわけで、そういう点も楽しい。

しかし、日本もそうだけれど、パリなど都市部は室内飼いが主流で、郊外だからこそ自由猫をたくさん写真に収められている。

そして、そんな南仏の光を浴び、靄の中を歩く、自由な猫さんの姿のほうが、より輝いて見えたのだった。

128ページの黒猫を撮影したときの秘話というかネタバラシが面白かった。

とても綺麗で、のびやかで、泣けてきたのだった。

 

フランスで出会った猫たち
フランスで出会った猫たち

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