遊興一匹 迷い猫あずかってます 金井美恵子

すんばらしい表紙絵の文庫は絶版である。

 

遊興一匹 迷い猫あずかってます (新潮文庫)
遊興一匹 迷い猫あずかってます (新潮文庫)

 

絶版は惜しいが、

トラー氏の後日談を含め、こちらの単行本に入っている。

猫、そのほかの動物 (金井美恵子エッセイ・コレクション[1964−2013] 2 (全4巻))
猫、そのほかの動物 (金井美恵子エッセイ・コレクション[1964−2013] 2 (全4巻))

姉妹で文と絵を描いているわけで、まあなんというか、目に入れても痛くないほど慈しんでいるさまがグサグサ胸に刺さる一冊である。

徹頭徹尾、いかにトラー氏がいい男であるかと、これでもかと描写。

ケーリー・グラントのようであると。うひひ~

おなかの毛の色の描写とか、メローで素敵なので、読んでくれたまへ。

題名どおり、迷い猫としてやってきたわけだが、

周り中の人から、一目置かれる猫となっていくのである。

 

文庫後書きに、かかりつけの動物病院の先生も「イリオモテちゃん」と呼ぶとある。

つまり、イリオモテヤマネコのように大きく美しく野性味あふれた、どれだけかっこいい男かということか呼称でわかるだろう、と解説つきなのだった。

その解説なしでも、ええわかります、とっても、という感じで微笑ましい。

 

目白雑録でその後のトラー氏がちらほら出ていたが、その後どうなったかというと、まとめの本のほうに入っているので、どうぞお読みくださいませ。

自由に出入りしていた大きな猫さんは、幸せだったと思う。

目白雑録 (朝日文庫 か 30-2) 目白雑録 (朝日文庫 か 30-2)
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カテゴリー: NEKO